2022年『ヘブンバーンズレッド』イベントストーリー3選
ヘブバン、初日…は無限にリセマラしてたので実質リリース2日目から勢ですが、毎日欠かさずログインし、現在公開済みのストーリーも全て読んでいます。
ということで、『ヘブンバーンズレッド』で(ほぼ)月1回ペースで公開されている、イベントストーリーで特に良かったものを3つ選出し、感想としてここに残しておこうかなと思います。
ヘブバンは配信当初から、ビジュアルアーツの通称「key」のメインライターとして名を馳せる麻枝准氏がディレクションをするということで注目を集めていましたが、流石に月1のシナリオはビジュアルアーツとWFSの社内ライターがローテーションで書くという方針だそうです。麻枝さんが得意とする「日常コメディ」と「切なさ」は絶対条件であり、下世話な言い方ではありますがやはりシナリオによって当たり外れはあるのかなという感じです。
また、良いイベントストーリーに出会った時も、「果たしてこれはだーまえなのか?別ライターなのか?」という邪推が生まれてしまい、なんとも複雑な気持ちではあります。
そういった内情も踏まえて、素直に「とても良かった」と思えたイベントストーリーを3つ、感想という形でここに残しておこうと思います。特に順位は付けていないので、配信開始順です。
Requiem for the Blue
基本的にメインストーリーは31A(茅森)の主観で進むが、本イベントは2章の話を31Bの水瀬いちご視点で紡がれた話。
自分が何より感心した点は、水瀬いちごの過去を掘り下げる上で描かれた、彼女のディス・コミュニケーション性の解像度の高さ。夜中にひっそり手を繋いじゃうくらい蒼井の事を思っているのに、反発することでしか交われない彼女。「好きな人が好きなものが嫌い」というのも鉄板ですが、いちごが茅森に強く当たる点も非常に合点がいったし、蒼井に酷いことをしつつもストーキングするというパートは、思わず笑ってしまいました。
本ストーリーは「遅すぎた愛情」として幕を閉じ、公開当初は「いや、自業自得やん」という感想もチラホラ見かけましたが、私的には、いちごの感情解像度の高さ、或いは百合としてもかなりの完成度だったと思う。読後感としても感動というより、ただひたすら感心したストーリーでした。
進めちびっ子大作戦U140
イベントストーリーでは初となる、他チーム混合編成の話。
タイトル通り身長アンダー140cmのメンバーで展開される話でしたが、そういった身体性が活かされた、コミカルな雰囲気のコメディ調がとにかく良い。少々毒も含んだ掛け合いもあったりと、ライターは不明ですがだーまえ調も節々に感じるところがありましたね。今後本編を読み解く上で重要になってくるであろう「キャラクター年齢を公開していない」という要素も上手くシナリオに活きており、丸山奏多という丁度「子供と大人の狭間」に揺れるキャラクターに死を理解させるストーリーテリングも唸りました*1。
またエピローグではありますが、U140のメンバーが帰還した際に同チームの保護者メンバー*2が駆けつける場面も、ほっこりして良かったです。彼女らがあの世界で生きている、という確固たる実感を持たせる後味として効いていました。
セラフ剣刀武術祭
先月公開の新しめシナリオではありますが、これまた好きなテイストだったのでチョイス。
まず初めに本作ヘブバンは、だーまえ氏脚本アニメ「Angel Beats!」ぶりに、「死」を強めに扱った作品だと思います。上に挙げたU140でもそうですが、世界に侵入者(キャンサー)が蔓延るという限りなく死に漸近した世界で、死あるいは「死より辛いこと」を描こうという作品だと思う。その中でもこのストーリーは、暗殺稼業が主人公というこれまた別の角度から斬り込んだ話として面白かったです。元暗殺稼業の夏目祈がU140で一回り成長した丸山に相談をしに行くという一連のシークエンスも、イベントストーリーというサブシナリオが、しっかり正史として彼女らの人生に刻まれているということを切実に表して切れていたのも嬉しかった。
そして何より、曲がイイ!(下に貼ったヤツ)
本シナリオのクライマックスで流れる熱さ重視の一曲は、本ゲームの場面の中でもトップクラスにカチッとハマっていた。
以上、『ヘブンバーンズレッド』イベントストーリー3選感想でした。
死に限りなく漸近した世界、「Girls Dead Monster」を彷彿とさせるShe is Legendなど、テイストは「Angel Beats!」に近いのかなー、という感覚でプレイしております。因みに推しは大島一千子と神崎アーデルハイド。彼女らの活躍に期待しつつ、来年も素敵なシナリオに出会えますように。